Japanese
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長崎原爆投下までの経過

 長崎に落とされた原爆は、広島に最初の原爆が落とされた8月6日と同じ日に、北マリアナ諸島のひとつのテニアン島で組み立てられ、8日には、第1目標を北九州の小倉こくら、第2目標を長崎として翌9日に投下することが命令されました。
 9日、B29ボックスカーは、小倉こくら上空に達しましたが、前夜の八幡やはた空襲による大量の煙ともやで視界が悪く、ここでの投下を断念。第2目標の長崎に向かい、原爆を投下したのです。
 長崎を投下目標の一つに選んだのは、一般空襲の被害が少なく原爆の威力を調査するのに最適であったこと、造船や兵器工場といった軍需工場が集中していたことなどが理由として考えられています。
 なお、アメリカ陸軍の原爆投下命令によると、投下目標は長崎市の中心部を流れる中島川なかしまがわに架かる常盤橋ときわばしから賑橋にぎわいばし付近で、当初の投下目標は長崎市の商業の中心部だったことがわかります。